ここが魔境
「冠を持つ神の手」の雑談と雑談と雑談とたまに二次創作テキスト。ほぼ王子。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


接戦にビビッたのでとりあえず投下
先の事は考えてない


※友情Aからどうにかしたい的な


 子ども時代の最後の日、私はタナッセの姿を求めて城をさまよった。
 何となく、予感はしていたのだ。これが最後の機会になるかもしれないと。曲がりなりにも彼と話をし、短い月日とはいえ彼との時間を過ごしてきた。彼の立場も、囁かれている噂も、家族の関係も、知らぬわけではない。ヴァイルが王となった城に残るとは考えにくかった。また、あの後しばらく様子がおかしかったがヨアマキスに行くとも思えなかった。ではどこへ行くのだろうか。可能性としてはディットンが高い。かつて留学していたという南の地。この城で生まれ育った彼が、長期滞在したのはそこだけだ。親しみもあるだろうし、何より大神殿の膝元で王権が届きにくい。筆頭候補だろうとは思っていた。
 城門で運よく出会えたタナッセは、私が来ることを見越していたらしかった。話をするつもりだったことが、私は相当に嬉しかった。たとえそれが、単なる友情からだとしても。そうしてくれる程度には私のことを考えてくれているのだと。
 いっそこの胸の内を明かしてしまおうか、数週間にわたって何度も繰り返してきた問いだったが、答えは結局変わらなかった。彼は応えてはくれないだろう。単純にその気がないという以前に、そのように私を見ようとしていない。もう少し時間をかければ、と思わなくもなかった。それに、どんな形であろうと一緒にいたかった。だから、今後の話をした時に、引き止める言葉を口にしたのだろう。
 正直な所、分の悪い勝負だと思っていた。だから、迷うような沈黙の後に下した彼の決断は私を喜ばせる以上に当惑させた。知っていたのに。彼の立場も、囁かれている噂も、家族の関係も。彼が望んでここに残るだなんて想像できなかった。それが、私の一言だけで覆るだなんて。それだけ、彼の中で私は軽くないということなのだろうか。自惚れても、いいのだろうか?
 思っているほど状況は絶望的ではないのかもしれない。じわじわと希望が湧いてきた。あと一年、とタナッセは言ったので、それまでにどうにかして彼の目をこちらに向けなければならない。そう、期限はあと一年なのだ。



09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

プロフィール
遠野 刈
Author:遠野 刈
ぐだぐだしてます。
かもかて中毒。
王子だいすき。

キット制作名:tnk
カテゴリ
最新記事
無礼会を終えて (02/01)
無礼会 (01/29)
チャット会計画中 (01/11)
あけましておめでとうございます (01/01)
譲れない想い (06/10)
サーチ

Ring
同盟




応援中


レハゲ制作委員会@ ウィキ

月別アーカイブ




Copyright © ここが魔境. all rights reserved.
Photo by clef      
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。