ここが魔境
「冠を持つ神の手」の雑談と雑談と雑談とたまに二次創作テキスト。ほぼ王子。

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かもかて二次創作。

別ED話のせいで中断しておりました王子愛情B前提の1話4回目。
無茶な書き方したなぁと思ってます。
最初タイトル思い浮かばなくて「緑の月に」とかつけてみたんだけど、しっくりこなくて無題状態。どうにかしたいけど、しなくてもいいのかなぁ。


一応前回までの 1-1/2/3


 だが、待ち望んでいたからこそ、実際に顔を合わせる瞬間を恐れてもいた。
 自分は本当に受け入れられているのか、結局のところ自分はどう思われているのか。赦されて今の自分があることは分かっているが、それでも錯覚だったのではないかと恐れる。疑う根拠は私自身の存在故だ。自分という人間がどういう者なのかは、私自身がよく知っている。そもそも、ああなって今の結果があるというのが、常人ではまず理解できないものだ。まったく、印持ちの考えることにはついていけない。
 それでも、望んでこうなった。決意したのだ。
 失いたくないと思った。拒絶されれば受け入れなければならない。諦めることもできる。運命はいつだって望むものを与えてはくれなかったではないか。だが、命を拾われた。思いを告げられた。止めても聞き入れてはくれなかった。いつの間にか当然のように傍にいた。申し出は受け入れられた。ならば、添おうではないか。望むように、望んだように。
 喉が、鳴る。
「レハト」
 振り向きこちらを認めると嬉しそうな顔をした相手に、私はかける言葉を必死に探す。
「ええと……その」
 だが、こんな時に限って言葉は出てこない。篭りの時を終えた者に対してかける適切な言葉などあるのだろうか。知っている限り王城にいた未成年など、私やヴァイルぐらいだったのだから前例を知る由もない。
 そもそも、こんな状況が私には不似合いだというのに。
 ヴァイルがにやついている。あの馬鹿はこのためだけにわざわざ篭りを終えたレハトを連れ出し、私を呼びつけたに違いない。すぐに会えるよう取り計らってくれたのはありがたかったが、こうなってくると腹立たしい。少しでもありがたいと思った私が悪かった。
「……調子はどうだ」
 席を立ち走りよってきたレハトに、どうにか言葉を絞り出す。大丈夫だと答えるレハトの向こうで、ヴァイルが肩をこかすのが視界に入った。睨みつけると呆れたと言わんばかりに首を振る。余計なお世話だ。
「またそんなことを言って、無理はしていないだろうな」
 大丈夫だと本人は言ったが、あの件以来、体調は思わしくないはずだ。個人差があるとはいえ、篭りの時がヴァイルよりも長引いたのだって、そのせいかもしれない。少なくとも私はそう思っている。何かあれば私の責任だ。しばらく見ぬ間に痩せてしまったのかと、自分よりも小柄な体を見て、どきりとした。
 ほとんど二月近い時を経て久し振りに見たレハトは、以前の面影を十分に残してはいたがすっかり女らしくなっていた。ほっそりとはしているが、服の上からでも体の線は分かる。
 きれいになった――そう思ってから、狼狽する。何を考えているのだ。
「その……まあ……大丈夫ならいいんだ」
 怪訝そうに見上げてくるレハトの視線を受け止めきれず、私は思わず視線を逸らす。急に部屋の中が暑くなったように感じる。同じ部屋の中にヴァイルがいなかったら、もう少し違う態度もとれただろうが、奴がいやらしい顔で見ていると分かっていて何ができようか。
 蹴りだしたい、衝動的にそう思ったがすぐに奴は国王なのだと思い直す。まったく、嫌な世の中になったものだ。私が城を出て行きたかった理由の何分の一かはこれではなかっただろうか。能力的には王として問題ないだろうが、この性格はどうにかならないだろうか。
「お前はこんなことをしている場合ではないだろうに」
 思わず、嫌味混じりにそう言ったが奴は平然としたものだった。
「伯母さんが、今回だけは特別にって許してくれた」


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